杉浦社長、ご苦労様でした。

三陽商会杉浦社長が退任を発表なさいました。バーバリーから転換したマッキントッシュが売上を達成できず、会社が赤字化した事へのケジメをつけられたと、巷では言われています。しかし、昨今の小売り市場の状況を見るにバーバリー無き後、杉浦社長が取られた施策は決して間違ったものではありませんでした。バーバリーに代わる主力ブランドに自社ブランドを立てる策もあったでしようが、残念ながら売上、知名度共に期待できるものが無かったのが事実です。マッキントッシュ以外の海外ブランドを検討しても、そこそこ知名度があり、売上が期待出来るブランドはやはり見当たりません。やはり、実績があり、期待できたのはマッキントッシュしかないのです。杉浦社長はたった一人で全国行脚を行い、バーバリーからマッキントッシュへの転換を各百貨店にお願いし、99㌫の完全移行に成功したのです。杉浦社長でなければ出来えない事でした。

しかし、結果は振るいませんでした。要因はいくつか挙げれます。全ブランドが低迷するほど、戦後ファッションの大きな曲がり角に差し掛かっており、バーバリーとて苦戦を免れない状況下にあり、転換ブランドが大きく羽ばたくムード化では無かった事。宣伝に多額の資金を投入したが、従来の紙媒体主力で、顧客層が使いこなすネットへの宣伝が弱く、マッキントッシュを認知させられなかった事。主力販売先の百貨店が極度の不振に見舞われている事。マッキントッシュが強いメンズ市場が全く売れていない事。等、幾つかの原因が重なった事が真相だと思います。上場会社ですから社長の責任といわれたらそうですが、いつも前向きで明るい杉浦社長の退任は業界にとり、大きな損失だと思います。成績不振で席を追われるなら、もっと早く席を退くべき人は沢山居そうです。

杉浦社長、長い間大変ご苦労様でした!

お客様、閉店です

クーデター倶楽部議長の内野が、現在の百貨店不調の根本原因を解りやすく解説した本を上程しました。単なる経済状況の低調に原因を求めるのではなく、百貨店の体質及び構造にその原因を求めています。戦後70年続いた大量生産、大量販売が、多層化した消費ニーズに対応出来なくなっている、と分析しています。

クーデター倶楽部での講義をより深堀した内容で、多方面から分析を行っています。

是非、御一読下さいませ。

アマゾンの挑戦

アマゾンが試験運用中の、入金不要のコンビニが話題になっています。前回紹介したボタンによる追加発注システムに次いで発表されました。入口でスマホをかざし、個人認証さえすれば、後は商品を選んで持ち帰るだけ。後はスマホ内アプリで課金してくれるだけ。日本のコンビニも負けていません。買い物かごに自動計算端末が付いていて、所定場所に乗せると自動計算の上、自動で包装迄してくれるというものです。

このように、消費者の利便性追究がどんどん進行するなか、百貨店のサービスが問われます!

アマゾンの攻撃

アマゾンが食品や日用品を簡単に注文できる小型端末を販売開始した。冷蔵庫や戸棚に設置し、飲料や洗剤が切れたらボタンを押すだけで注文出来てしまうそうだ。「買う物が決まっている日用品のショッピングが不要」になる可能性を秘め、スーパーやドラッグストアには脅威となりうる。ネット技術の進化は止まる事を知らず、消費者の生活は便利になる一方である。

かって、アドレスを打ち込まなければホーム頁へ辿り着けなかった時代に、ボタンを押すだけでホーム頁に辿り着ける夢を見たが、現在ではそれ以上の速さで進んでいる。消費者のニーズを汲み取るのは既成概念に凝り固まったプロの小売業ではなく、単純に「これがあったら便利だろう」というより消費者の目線で考えている素人達の方が現実を認識している。

大手のメーカーは百貨店や総合GMSに見切りを付け、新しい商圏を開拓しだしているようだ。