消費者ニーズの変化 が社会を変える №3「 リサイクル」

   プラスティック製品は我々の生活に無くてはならないですが、中でも 2016年度に消費されたペットボトルは概算4,800億本にも上ります。しかしリサイクル回収率は半分以下しかなく、回収されたうちのわずか7%しかペットボトルとして再利用されておらずそのほとんどがゴミとして捨てられているのが現状です。しかも年間500万tから1,300万tものプラスティックゴミとして海に流失し、魚や海鳥などの海の生態系を脅かしています。今まで各国のペットボトルはゴミとして約6割が中国に輸出されていました。中国ではそのゴミを「資源」として再利用してきましたが、ゴミ集積場所の周辺を中心に深刻な環境汚染を引き起こしてきました。洗浄の為に使う洗剤や汚水による川や土壌の汚染です。そこで中国は1月に廃ペットボトルを全面輸入禁止にしたのです。結果、世界的に廃ペットボトル処理が追い付かずリサイクルに危険信号が灯り始めています。これに輪をかけ昨日EUが使い捨てプラスティック製品禁止を打ち出しました。ストローや綿棒、フォーク&ナイフなど多岐にわたり簡便に使われてきた「使い捨て製品」を禁止したのです。

   これまでも消費者は「無駄な消費削減」「環境保護」でスーパーのレジ袋持参やペットボトルの代わりに水筒持参などを積極的に行い消費意識を変化させてきました。「地球に優しい」「無駄なものを造らない・持たない・使わない」という意識は今後更に深化することは間違いありません。政府はこうした流れを加速させ、新しい産業を生み出す工夫をするべきです。海に流れ出したプラスティック製品を回収する装置の開発にそれを再利用するための再原料化システム、そして再利用された環境にに優しい製品達など、一連のリサイクルを完成できれば世界に先駆けて環境立国となり国際的に発言力が高まります。そうなれば再び「made in japan」製品が世界を席巻できるのではないでしょうか。プラスティックから造られた丈夫でしなやかな布を使った衣料や靴・雑貨など。若きベンチャー企業は実際もう取り組みを始めています。「採算が合わない」「責任所在が不明」などと従来の大手企業や行政はやる気がありませんが、実は次世代の大きなビジネスシードの種が転がっていることは間違いがないのです。ネット創成期と同じで、自分になじみがない物には頭から否定する大人や組織の弊害がまだまだこの国では大きいのです。残念です。