クーデター倶楽部 2025年5月 05.24  

クーデター俱楽部 5月

議題

第3章 現状の課題と対策

項目2-1 組織の再構築&活性策と人材育成=消費ニーズ把握の為に

IT技術の革新スピードの速さやコロナ禍により劇的に変化した消費者のライフスタイルに対応すべく、企業は消費者のニーズを把握する為に即急に自社の体制や組織を再構築する必要が有ります。従来の組織では変化した消費者ニーズ把握が不十分であるのみならず、そのニーズ把握は旧モデルのマーケティング手法でしかないので、現在の消費者ニーズやその大きな潮流は全く掴めてはいません。従来の年齢別・収入別・テイスト別やペルソナ型分析などではライフスタイルは把握できません。

多様化&多層化した現在の消費者ニーズ把握には従来では想像できない規模のデータが不可欠ですが、そのデータは「何を・どうやって・どれくらい」集めればよいのか、また「どうやって分析したらよいのか」従来のクロス分析レベルでは解析できないレベルを新しい分析手法を開発して分析しなければならないのです。特に自社の業態では何を目的にするのかによって数千種類の分析方法があるので、その為のデータ取得が、数においても精度においても経営戦略の基礎になるので、データ収集方法は最大の経営課題になるのです。

しかもマーケティング部員(マーケティング部が残っていればの話ですが)達の技能は現在のITを使いこなし、AIすらも多用できるレベルでなければなりません。それを可能にするのは部員の最新IT技術の再教育やITに熟知した人材を中途採用するしかありません。その為には人事制度の大幅改革や中途採用人員の活用策など、従来には無かった制度を創設する必要があります。人材も自社社員に限らず中途採用を積極的に進めるべきです。しかも日本人に限る必要はありません。優秀なスキルを持った人材は一般と違った雇用形態やボーナスを用意すべきです。

一方、従来の部員再教育は単に社員のみならず役員全員も教育されるべきです。現在の役員の多くは自分の知らない新しい技術に対してか否定ら入る人が多いからです。部下が折角有望な業績向上安を提出しても、自分が知らないITやAI技術などを使っての提案は理解できないので必ず否定するのです。これでは時代に即した経営判断などできる訳がありません。経営を担う人は必ず時代の最先端技術を理解すべきで、自らその仕組みを理解せねばなりません。そうでなければ自社の経営戦略や営業戦略が有効なのか否か判断できないからなのです。今までの経験値やROE、ROAなどを知っているだけではこれからの経営はできません。それはあくまで目的係数であり、その実現の為に何を成すべきか判断するのが役員の使命だからです。

GAFAM(Google・apple・facebook・Amazon・Microsoftのビッグテック企業群)の時価総額は2021年で770兆円で日本企業の総時価総額を超えていますが、これらの創業者達は自らIT技術を開発したり、使用したりして業績を伸ばしてきました。会社のデスクに座って新聞を読んでるだけの役員とは全く異なる人種です。役員室に閉じこもり現場を全く見ない人種ではなく、自ら旗を掲げ先頭になり難題に、また社会の壁や嘲笑に、毅然として突撃する人達なのです。時代に何が必要か、自社を時代に遅れない為に何が必要かを、ITやAIを駆使して、或いは自社が必要とする技術を持つ企業とコラボやⅯ&Aして成長を続けてきました。ひたすら保身のみが目的で、知ったかぶり且つ情報不足、新しい知識を増やそうともせず、ひたすら自身の若い時の成功論のみで押し切ろうとする老害以外の何者でもない日本の経営層とは真逆に位置するのが世界の経営層です。

組織再構築で一番重要な事は、新しい消費者データをどの様に取得し・分析し・活用するの3点で経営戦略を立てる部門傘下にシステム部が置かれるべきです。そして自社の顧客の行動パターンや購入パターンデータを取得させます。方法としては自社カード顧客の購入履歴(他店での購入履歴も含む)行動パターンなどを把握分析します。分析手法も「個のお客様はこのレベル」と決めつけず、年齢や職業、家族構成やお住まいや購買内容からワンランクアップ志向なのか、現状維持なのか、何を消費に求めているのかを分析し、現状のみならず「手の届く次」への提案も行えるレベルでなくてはなりません。何度も言いますが、現在の消費者は一括りでの分析では把握できず、個人への部分的なカスタマイズされた要求・嗜好への対応が不可欠で、そこまでの分析はどうしても外せません。

例えば同じ郊外の同じ一戸建てに住んでいる消費者が居たとします。収入も務めている企業も同べレベルの同種企業とします。家族構成も夫婦に子供4歳児一人、どちらも共働きで子供好きです。この夫婦たちを片方をAさん他方をBさんと称します。他人から見たら、この2家族は従来の分析では全く同じ部類に区分けされてしまいます。しかしAさんは子供と過ごすことに人生の喜びを感じ、育児は夫婦で変わり番こ、休日はアウトドア―で海や山に行き子供にできるだけ多くの体験をさせ、自分で考え対応する能力を期待しています。自然の中で如何に一人では難しいことも仲間が居れば助け合ったり協力し合ったりして生きていけることを身に行けさせたいと考えています。Bさんは子供に世界に雄飛するような人材になって貰いたい、東大が全てのような学力暗記バカではなく、インターナショナルに5歳から通わせて国際語を身に着け、国際人に早くなるよう幅広い視野を持つ子供になって貰いたいと思い、休日にはインターで知り合った外人家庭と付き合い、両親も国際化を実践しています。

上記のような家族は従来の消費者分析では全く分析できず、「中産階級・郊外在住・可処分所得〇〇万円」というレベルでしか分析は得られません。しかし現在ではAさんの消費動向や購入アイテムからアウトドア派という事は簡単に割り出せ、且つ、街中でも着用できるアウトドアシューズやアウトドア―製品のみならず関連商品として防災グッズやキャンピングカー迄提案することができ、貯蓄に余裕が出来たら海外探検ツアーや遺跡巡りなどの旅行も販売できるでしょう。Bさんには学費が高いので両親とも仕事を掛け持ちしたり、無駄な消費に気を付け、代わりに楽器やアートなど教養を身に着ける教育に消費をつぎ込んでいくため、同じ体験でも演奏会や美術館巡りに消費を提案することができます。

このように同じような消費者をより詳細に分析することにより、消費者毎のカスタマイズ提案が今後の消費活動で提案できるのです。これがITやAIを活用した新時代の消費分析の一例です。このような分析はIT業界で100歩ぐらい先に進んでいますので、まず人材確保が最優先化されねばなりません。その為には会社毎Ⅿ&Aすることもあるでしょう。また自社店内にもれなくTVカメラを設置し、顧客の動線を全て把握し、レジでの売り上げ内容と共にデータとして残していくことが自社BICデータ取得の第一歩となるでしょう。同時に商品自体にも素材や色、価格や流行だけではなく、商品が醸す出す雰囲気や詳細なテイスト、コーディネート提案等の情報をバーコードではなくQRコードに詰め込めば、その人が商品を買えば買う程その人の消費性向がより把握できていくのです。

このような分析を行い開発・指導していく役割のシステム部再生が先ず一番に望まれます。