トモロウランドがリスティアを買収
佐々木社長の㈱トモロウランドが高下社長の㈱リスティアを買収しました。セレクトショップがセレクトショップを買収するのは大変珍しいです。今回の買収目的はリスティアが持つ約100に上る海外ブランドの販売権が目的だと思われます。トモロウも且つて海外ブランドショップを3店舗ほど展開したが上手くいかず、独占ブランドはジャンポールノットぐらいしか無く、次の手を探していたと思われます。
現在セレクトショップでラグジュアリーブランドを展開している企業は幾つかありますが、オーナーの感性とブランドからの信頼性がなければ成り立ちません。顧客の顔が全て判っていないとバイイングに無駄が発生してしまい、単価が高いだけに償却分が大きく利益額にマイナスに影響してしまいます。マスターゲットやフリーターゲットの店舗では成立しにくいのがラグジュアリーブティックなのです。故に残念ながら「雇われバイヤー」では良いバイイングはなかなか難しく、オーナー兼バイヤーのショップだけが継続できており、それも店頭だけの販売ではなかなか維持し難く、独占ブランドを幾つか所持し、卸しを兼ねて販売していくことが重要になってくるのです。これらのブティックはファッションの最先端を自身のリスクで突っ走っていくので、並大抵の努力では継続できません。百貨店のセレクトが上手くいかない原因の一つがここに在ります。
セレクトも此処へ来て生き残りを掛けた競争が激化しています。消費者のニーズが多層化し、頭から爪先まで同一ブランドで着飾ることが決してかっこよい時代では無くなった今、セレクトショップが提案するブランドやコーディネートに顧客は、その着こなしやコーディネートに時代を感じるのです。その為優秀なバイヤーを育成するには時間が掛かるので、引き抜くか会社ごと買ってしまうのが一番効率が良いという事なのでしょう。