時代と共に

大手婦人靴メーカー「シンエイ」が民事再生法を申請したニュースが大きく駆け巡りました。百貨店婦人靴売場の最大手で、一時は300億の売上を誇っていましたが、力が尽きました。理由は沢山あるでしょうが、その中で最大の理由は、売上のほとんどを百貨店に依存したことだと思います。婦人靴はサイズ展開の品出しで多くの販売員が必要です。百貨店の売場はメーカーや問屋からの派遣販売員で成り立っており、其処に百貨店の販売員の姿は在りません。嘗ての百貨店の入店客数ならば、販売員の人件費を補っても充分採算が採れましたが、現在の入店客数では、とても無理なのです。メーカーは百貨店に依存するだけでなく、自主販売の場を広く百貨店以外に創らねばなりません。さもないと百貨店と一緒に沈む事になってしまいます。
又、日本のメーカーは国内だけでなく世界に売って出る事を前提にモノ造りをすべきです。嘗てDCブランドが世界を席巻したように、世界を市場にしなければ生き残ることは難しいでしょう。その為にはブランディング化が不可欠です。世界に誇る日本商品が寿司と日本酒だけでは情けないとは思いませんか?今こそ、世界のモノを取り入れるだけでなく、世界に売って出る時です。
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苦戦

今季のバーゲン戦も、予定通り?の苦戦が伝えられています。大型都心店から郊外店、地方都市の主力店に至る。まで百貨店の悲鳴が聞こえてきます。
主力の衣料は勿論、ファッション関連以外のアイテムも軒並苦戦に陥っています。
この原因のひとつに、百貨店の集客努力の弱さが在るように思えます。従来、商品力以外にも、文化催や物販催し、季節催事や数々の旬の話題を追いかけた集客イベントが御客様の足を百貨店に運ばせたものです。しかし今日では、確実に集客出来る催は物産展と組織動員が図れる「お教室」催しだけです。これ等の催も嘗てのようなシャワー効果が減り、売上効果が段々薄くなりつつあるため、開催回数が減っています。しかし、これ等の催しに替わる新しい集客策は未だ出ていません。
百貨店の不調は景気の悪さに基因するというより、時代変化の波に乗り遅れているとしか、どうしても思えないのです。昨日、IT時代を牽引した王者yohooがネット事業を売却し、今後は投資会社に変わるそうです。あっという間に時代を駆け抜けていきました。
百貨店がもたもたしている内に、時代はそのスピードをまして走り去って行ってしまいます。
全てを外因のせいにし、自身の努力を怠った業態は生き残れません。目先の売上のみに一喜一憂し、根本的対策を行わなければ、百貨店に明日は無いでしょう。

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土日に人で溢れる青山ファーマーズマ-ケット。食品から北欧の家具迄、何でも在り、人々は緩い時間と空間を楽しんでいます。