どこまで拡がる、アリババ❗

11月11日、中国で始まった「独身の日」のネット販売が止まりません。今年は何と3兆5千億の売上で、楽天1年分の売上より多いそうです。この成功要因は3つあります。一つ目は、小規模小売り業者が販売場所としてネットに集中したこと。二つ目は

物流が未発達の中国で、ネット販売業が独自に流通網を重視し、囲いこんできたこと。三つ目は贋札が氾濫していた国内で、ネット決済は信用度が現金より高く、便利だったこと、があげられます。

しかし、本当の理由はアリババが周政府と手を結び、政府のネット戦略の一翼を担っているからです。

来年度もこの勢いは止まらないでしょう。

新しい百貨店とは? 新業態の百貨店№5

5)  新しい商売を生み出すこと

  今迄の商売とは「形あるものを造りあるいは仕入れ、それを販売する」ことでした。昨今は「モノよりコト」寄りとばかりに「コト」を販売する指向が大変強くなっています。しかし問題はその「コト」とは何かという点です。コト=体験がもてはやされ、旅行やイベント参加などが消費者の興味をそそっておりますが、これらは従来から旅行業の業務そのものとして在ったもので今更珍しいものではなく、今更百貨店が取り立てて取り扱う商品ではありません。

百貨店が現在持っている最大の財産は膨大な数の顧客数ですがこの顧客を使った新しいビジネスが次世代の主役になります。①は顧客の膨大な買い物データです。カード顧客は属性が判明しているので、AIにより属性別の購買予測が立ちます。このデータはメーカーにとり莫大な価値を生みます。色・サイズ別の販売予測は商品生産に無駄を無くし、投入時期すら予測可能にします。②は来店顧客の着ている衣料から次の流行予測も可能です。これは来店顧客の写真分析データが売り物になるのです。これらはメーカーが次に何を造るべきかの基礎データになるからです。③はディスプレーからの顧客情報データです。顧客はDPの何に興味を惹かれ、何が購買決定要因か、はたまた非購買要因は何か、DPに仕込んだカメラにより顧客目線の分析から、そして色・サイズ・価格の何処に興味が一番あるかの分析ができます。これらの各種データは百貨店の大きな販売商品になるのです。百貨店はこれらの顧客のライフスタイル全般の購買履歴を確保できます。これによりファッションから食まで「個」の行動パターンが予測できるのです。

百貨店はこのように膨大な買い物の記録及びこれからの予測が大きな商品になりますが、さらにデータの定性化を図るため、顧客の固定化をいままで以上に図る必要があります。そのためには顧客が各販売員のファンになってもらうことが一番の近道であります。何処にでも売っている商品は何処で買っても同じであり、差別化の為には販売員から得られるアドバイスやライフスタイル情報、商品関連知識などを総合的に、ある時は暇つぶしに付き合ってくれ貴重な時間を惜しげもなく費やしてくれる理解者である販売員が百貨店にとり顧客の次に重要な財産になってくるのです。そのために、現在人事部が放棄してしまった販売員教育を再度開始しなければならず、それも急務と言えるでしょう。

今迄の商売と全く違った商売の概念がすぐ目の前に迫っているのです。