世界が相手に №3

最後はデザインの世界基準への到達です。

日本の商品の海外向けと言うと決まって出てくるのが日本製生地を使った着物デザインです。岡山のデニムを使った着物とか、着物をリメイクしたドレスとかですが、視点が完全に間違っています。海外が評価しているのはあくまで生地に対する評価であり、その生地を使った古びたデザインの着物紛いや見飽きた普通のドレスではないのです。そんな安易な発想では到底世界に評価されるレベルではないのです。日本人が安易に欧米発祥の洋服を真似たデザインを発信しても受け入れられる筈がありません。これから私達が目指すべきものは世界に通用する「デザイン」です。車からファッションまで日本製品は必ずと言ってよいほど海外製品の模倣があります。機能や性能は素晴らしくてもデザインでの独自性が無ければ世界では通用しないのです。結果日本製品は評価を受けても「低価格の割には性能が良い」というボリュームゾーンでしか認知されません。韓国製の日本製品を真似た更に安い商品が出てくると簡単にシェアーを食われてしまい、中国と東南アジアでしか日本製品は認知されていないのです。あのユニクロや無印でさえ欧米では利益が出るほどは進出できていません。世界に通用する「デザイン」で商品を企画しないと世界から取り残されるでしょう。

世界が相手に №2

2つ目は「大量生産大量販売」を止めることです。消費ニーズが多層化した現在、従来の大量生産による在庫を保持して大量に売るという方程式は市場に合いません。今までは定価販売後のバーゲンでそこそこ売れたので一定量生産しても利益も確保でき商品も処分できましたが、定価で販売できなかったものはほとんどバーゲンでも売れないからです。低価格化が定着した現在、価格販売ですら利益が出しにくくなっているのですからバーゲンで売れても利益はほとんど出ず、ましてやバーゲンでも売れなくては丸々赤字化してしまいます。結局定価販売できる量を確実に見越し、百貨店をはじめ今までは認められなかった「売り切り御免」方式に変更せざるを得ないのです。そのため、店頭投入時期や量などを見直し、早期早期に次商品を投入し売り抜ける、商品がなければ敢えて売り場に無理に商品を投入しないやり方を採用すべきなのです