コロナ禍からの復興2021№9

コロナ禍で社会の構造から人々の生活意識まで全てが一新されようとしています。しかしそれはコロナ禍が始まる前から始まっていましたが、コロナ禍のおかげで全世界の人々が一斉に気付いたと言うべきだと思います。

その要因はAIを始めとする未曽有の技術革新にあります。

従来の技術革新はハード中心の開発が基本であり、今迄も生活を一変させる社会変革を起こしてきました。内燃機関の発明、電気の発明、等により社会構造そのものを変人々の生活を豊かに変えてきました。新しいモノやコトが創造された結果、社会変革の名の下に消えゆくモノやコトが数多く発生したのは自然の摂理でありました。

人々は常に新しい技術を活用しより便利に、より快適に、より自由に生活を楽しんできました。今回もネット技術革新により従来の生活様式は一変されましたが、人々が気が付かない無限の可能性も秘めていることを感ずいていたのはごく一部のゲーマーと呼ばれるきわめて若い世代だけでした。この若い世代が新しい技術を自ら改良、拡大、連携、再構築してより便利なモノやコトを生みだし、瞬く間に一般の人々に拡がっていったスピードは誰にも予想も想像もできないことでした。

今回のIT技術革新の特徴の一つに、「無限の使い方」があり、「企業でなく個人が主役」と言う事が挙げられます。どんな時代の革新も始めはその社会を構成する支配層から否定され、社会の既得権益確保を優先されますが、今回の技術革新は一般人が主役の為、あっという間に拡散・拡大されていったのです。

しかしわが国では人権擁護を謳う一部の政治勢力が「個人情報の保護」を理由に政府機関で活用することに意義を唱え、革新技術の導入に反対したので大幅に導入や活用が遅れてしまいました。結果、未曽有の全世界同時のウィルス禍により通常では無いスピードを求められる事態に社会構造がついてこれなかったのです。未だに支援金支給が70%も滞っていたり、PCR検査が十分に行われず保健所はFAXで情報交換をしている等のため、全てが後手後手に回ってしまっています。

コロナ禍のおかげで旧態依然とした政治や旧来の大手企業は、あたふたとするばかりで何ら有効的な対策を打ち出す事が出来ないでいます。それを尻目にユニコーン企業と呼ばれる新しい技術を積極的に拡張・拡大したり、新しい発想で活用する企業は急成長し今や社会の中枢になろうとしています。

彼らは若い正義感からこれらの新技術を使い地球や人々に優しい社会を目指しています。脱炭素社会や自然エネルギー有効活用社会、無駄なものを生まないサイクル型社会等を積極的に志向しその為に技術をどんどん進化させています。それゆえ、旧型社会で花形だった企業はこの流れについていけてないのは皆様がご存知の通りです。世界のTOYOTAは車の製造企業から脱し、新しい企業としての在り方を模索していますがその他の企業や業種で転換を計画している話はついぞ聞いたことがありません。

日本を代表する大企業の日〇製作所の社長は、「リモートでは効率が下がる」として在宅勤務を廃し、再び全社員を出勤させています。またパナソ〇ックは秘密技術の漏えいが心配されるため、世界の企業が撤退している中国に新研究所を創るとしています。どちらも時代に逆行したミス判断で年老いた経営者の老害がもたらす災い以外のなにものでもありません

小売業も人々が来店ではなくネット販売でモノを買うようになり慌てて対策としてネット販売を始めていますが、ネット戦略の根本を理解しておらず、カタログ販売のデジタル版のレベルを脱してはいません。飲食業態も従来の営業体型から抜け出せず、食事時の集客集中を拡散できず、いたずらに席数を減らし効率を大きく落とし廃業に追い込まれている店舗が後を絶ちません。

一方新しい技術を積極的に活用する方法を研究する企業は、今後果てしない躍進が期待されています。新しい技術開発の中でドローンがありますが、世界の主力企業は中国です。日本には全くと言ってよいほどドローン開発企業はありません。なぜなら役所の規制で実験でドローンを飛ばせる場所が日本にはほとんど無いからです。日本ほど古い規制が脈々と続いて、技術の進化を阻んでいる国はありません。優秀な頭脳や企業はどんどん規制の無い海外へ移住するか買収されています。

アフリカでは道路事情や政治事情で荷物の配達が大変日数がかかり、コロナワクチンを配送しようにも運搬手段や冷蔵手段がなく事実上全くお手上げなのが現実だそうですが、ドローンに翼を付けた新型ドローンを開発した新興企業が、三人しかいないそうですが、航続距離も従来の30倍以上、スピードも20倍で道路の無い僻地まで迅速かつ正確に配送できるということで国連から正式に依頼を受注したそうです。結果この会社の株価は1万倍に跳ね上がったそうですが、彼らはそれを研究費に投入し、更なる開発を続けるそうです。お金が目的ではなく、人々の為になりたいと言うのが会社設立の動機だからです。

日本の企業も「企業は株主のため」などと行っている時代は終わったのです。口先だけの「顧客第一主義」など糞食らえです。これからの企業は社会のため、社員のため存在すると考える経営者が求められます。目先の利益を追求する時代は終わったのです。

コロナ禍のおかげで我が国は新技術取り入れに後れていることが図らずも露呈しました。上は政府、大企業から下は街の小売業まで。問題はこれからです。政府や大企業で頭が切り替えられない年寄りがいる処は遠からず破綻するでしょう。

では私たち、零細、弱小企業はどうしたらよいのでしょう。

コロナ禍からの復興2021№8

「安くて良い」商品が市場を席巻したせいで、巷は「低価格」だけが商品みたいな風潮が広がっています。確かに低価格でも良い商品は重要ですが、誰もが同じものを着たり持ったりしていては消費者は満足しないものです。ブランド名を付けただけで高い商品は論外ですが、多様化する消費ニーズに対応するには消費者ニーズを細かく把握すると同時に各小売業やメーカーは自社商品を再度見直し、自社のオリジナル性を磨くことが最重要課題の一つになります。安易に安価な商品創りばかりしていては、いずれ飽きられてしまいます。

これからのモノ創りは「made in japan」を徹底して追求しJapanオリジナルをブランド化すべきです。衣料はDCブランドで世界制覇をした実績がありますし、Kawaiiは世界の若い世代を魅了しました。それなのに日本ブランドは車と醤油以外の認知度は無いのが現状です。エルメスのスカーフは横浜で、シャネルの眼鏡は鯖江で、アルマーニのコートは青森で創られています。プラダのストレッチ素材は東レ製だし、ティファニーの指輪は甲府で創られていたなど世界のブランド商品は少なからずmade in japanにもかかわらずです。

日本製品は本当に良いものがあるにもかかわらず、ブランディングが下手で、宣伝も中途半端ゆえ一般への認知拡散が少ないのが最大の欠点です。百貨店で売っているものは良いものという認識は50代以上で、若い世代には全く浸透していませんし、ただ高く敷居が高く行かない消費者は増え続けています。実際、百貨店のオリジナルはほとんどなく、どこででも売っている商品がほぼ100%です。

こんな状況下では高所得者層は完全に日本製品に見切りをつけ、海外有名ブランド嗜好になるか、独自にオーダーしているのが現状です。サービスも同様です。「煩わしいから販売員は寄ってきてほしくない」という誰が調べたか判明しない謳い文句で、メーカーや小売業も人を減らし人件費を削減することを目的化し、セルフ販売が当たり前のような感があります。一方街の専門店では派遣の、商品知識が皆無と言ってよい、時給制ゆえ、ただ居るだけの販売員が多いのも事実です。要するに商品も販売員も時代に合っておらず、不要になってしまい、売れないのです。

今迄、大量生産大量販売がこの国の小売業の基本施策に長らく据え置かれてきましたが、今日、個人向けの施策は全く機能しなくなって居る事は明らかです。新・旧富裕層を捉えるためには確実に従来の商品創りから販売方法まで全てを作り変える必要があるのです。マス対応から個対応を本格的に実施しないと手遅れになってしまう事は明白です。

新しい顧客層に対応する為に、商品品や販売手法以外にも換えなくてはいけない事があります。

それは、新しいMD店舗では店頭在庫負担増になるため店間物流の整備や処分ルールの設定が重要になります。如何に効率的に商品を回転させるか、必要なものを必要な客に必要な時に届けるかが勝負だからです。販売員の顧客別接客の再教育も必要です。更には来店顧客を瞬時に把握する為に会員登録が絶対条件となりますので、初回購入あるいは入店時に顧客カードを提示瞬時に顧客データが出てくるくらいの設備投資は絶対条件でしょう。

販売員が顧客の顔を御覚えるのは重要ですが、上得意顧客以外の顔を覚えているというのは不可能に近いのです。だからAI技術の力を借りて瞬時に顧客を認識できるシステム等の近代装備が今後の店舗には不可欠であります。内装が良いだの綺麗だのはニの次三の次になり、まずは近代装備AIを装備した実店舗が早急に求められます。

個の実店舗実現の為には、初回購入時や来店時に顔写真を含んだ顧客カードを創る事が不可欠になりますが、それ相当のインセンティブが必要です。購入していただいたお客様には店のインスタグラムに掲載するとか、今週のベストコーディネート顧客には外れなしのポイント付与等が効果的かもしれません。来店しただけの顧客には顧客のコーディネートをインスタに上げるのでぜひ写真を、と言うのも効果的です。このように最初の1年間はデータ集積に邁進し、取れたデータを分析し顧客の感性ニーズを確立させていくのです。

この実店舗への転換がなされなければ、従来通りの販売員の感に頼った、或いは売らんが為の嘘に塗れた接客で、売り上げだけ上がれば良いという1回のみの当ての無い戦いが繰り返されるだけに留まってしまいます。