販売員の教育

11月24日付け日経新聞夕刊のコ「あすへの話題」

非常に考えさせられる文章です。私が百貨店に入社した時の教育では、正にこのような接客を教わりました。当時の顧客は目まぐるしく変化する社会や生活に対しての溢れる情報に追い付いて行けず、その道のプロのアドバイスや情報に頼っていました。時代は進み、顧客は当時と比較にならない規模の情報に曝されており、やはりプロのアドバイスを求めています。当時と異なるのは、顧客がある程度自分の好みを自覚しており、流行に左右される事なく、ライフスタイルに関する情報を望んでいる点です。しかし、販売員の接客レベルは50年前なのです。多くの百貨店は 複雑化したポイント制度やレジ操作教育ばかりで肝心の接客方法は教えていないのが現実です。

今こそ顧客のニーズにきちっと対応できる販売員育成をするべきです。

大西社長の挑戦

百貨店各社の中間決算が発表されましたが、何処も苦戦を強いられており、冬物商戦の苦戦も響いて良い話は全く聞こえて来ません。そんな中でも百貨店業界の旗手である三越伊勢丹へのマスコミの論調が厳しくなっています。

マスコミの論調は、「爆買い頼みで策が無さすぎで、そのツケが回って来ている」という単純なものです。これは全く表面しか見ていない3流記事でしかありません。経済記者が良く使う経営改善策のリストラや店舗縮小、営業施策のリニューアルのどれか以外は百貨店の根本を理解していない事の表れです。小論でも度々取り上げましたが、販売員売上歩合制導入や自主MD商品開発の積極的推進、海外進出へ向けた着実な布石、国内新顧客層掘り起こしへの挑戦など、他社が全く手をこまねいている事を果敢に挑戦しています。これらは直ぐに目を出すものではなく、将来への種蒔きです。今やらないと遅きに失するものばかりです。これ等を評価せず、目先ばかり対応する事しか評価出来ない我が国の流通マスコミは3流です。

頑張れ、大西社長。

苦戦

日経新聞第一面(10月27日)に三越伊勢丹が2017年3月期予想を、営業利益2割減と報じています。中国観光客の爆買い減少やネット通販拡大影響、優待割引のポイントへの変更等の諸条件が重なった事が要因と分析しています。同紙にはH2Oがやはり11%減益と報じています。又「関西スーパー」と資本業務提携し、食品スーパー強化を図り、他業態化推進を目指すそうです。

また、銀座松坂屋跡地の大型複合施設の概要も発表されていますが、テナント紹介ではなく、設備や屋上庭園等に説明が割かれており、物販施設のイメージは極めて薄い紹介記事になってます。

翌日の記事では「百貨店苦境突出」の記事が大きく紙面に踊っています。

これ等の記事に反撃する内容は三越伊勢丹と東急百貨店の東南アジアで日本商品売場を展開した位しか見かけません。東南アジアへの進出は効果的な戦略だと思いますが、肝心なのは国内での徹底したMD改革と顧客戦略開発です。

寂しい限りの百貨店・・・・・・・・頑張れ???