モノ造りの本質
MOUSEコンピューターをご存じですか? 飯山トラストという企業が生産しているBTO(受注生産)方式の国内生産コンピューターです。大手は挙って撤退や縮小しているハード生産ですが、この会社は果敢にも個人オーダーコンピューターを信じられない低価格で販売し、売上も好調と聞きます。その原因は何なのでしょう?大手の大量生産・大量販売に背を向け、個人顧客のニーズを「オーダー」という形で、それも独自のソフトや技術開発による低価格で実現させた事でしょう。更にネット専用のPR動画は、企業の基本姿勢を明確かつシンプルに表現しており、正に時代の生き方を提案しています。是非、一度CMを視てください。百聞は一見にしかず、です。
「もしもロボットが居てくれたなら」
ネットの急速な拡大と、消費者ニーズ細分化による「大量生産・大量販売」時代の終焉を迎えて、既存小売業もメーカーも勢いが全く在りません。最初から海外販売を視野に入れている製造業以外では、販路や市場が限定されていては、売上が延びる要素は限りなく少ないでしょう。これからは、戦後70年続いたありとあらゆるビジネススキームや社会構造
がスムーズに稼働しなくなるでしょう。それほど消費者は変化したのです。
小売業もメーカーからの仕入れ商品をただ並べるだけでは、その存在意義を問われ、メーカーは小売業の言いなりに商品を作っていては在庫の山に埋もれることになります。では、どうすれば、生き残ることができるのでしょう!
小売りはその商品を自らオリジナル化させ、自ら創るSPA化し、「ここでしか買えない」というアイデンテティー
が求められ、大量販売しなくても利益が確保できる道を進むべきです。メーカーは自分の命綱を預けるのではなく、自ら直営店運営に乗りだし、チャレンジすべき時代だと思います。どちらも入念な準備が必要なのは言うまでも在りませんが、SPAは詳細な販売計画が不可欠ですし、直営店は52週MD構築がないと回りません。しかし、無謀ではなく冒険は必要です。
このまま座って死を待つか、撃って出て活路を見いだすか、分かれ目です。
スタイリスト&ブロガー人気の理由
ここ3~4年、スタイリストやブロガーがファッションの中心で従来のプロであるバイヤーの存在意義が薄れていました。ショーのフロントローはバイヤーでなくブロガーですし、新規ブランドの立ち上げは必ずスタイリスト中心で行われています。それは何故でしょう?答えは明快です!前回の定例会でお話したように、「バイヤーがその商品知識と経験で選んだ商品自体より、どの様な組み合わせ
=コーディネートをしたら今風なのかという情報と提案そのも」を消費者が望んでいるという事なのであります。ですからモノづくりをなさる皆様には「こんなに安くて良いのに何故売れないのだろう?」と不思議に思うのです。現代は商品自体の良し悪しではなく、自分のライフスタイルを充実させるための商品や情報こそ消費者が求めているという事を認識すべきです。単品集積で「さあどうぞ!何でもありますよ」という品揃えは全く意味のない提案でしかありません。メーカーの皆様には「誰にでも」ではなく、明確にわかるターゲットを設定し(年齢やグレード軸では無く、ライフスタイル軸で)「この指とまれ」と自社製品に興味を示した消費者にその商品のコーディネートや使用シチュエーションを明確に提案すべく直営店をもつべきであります。今後はSPA型メーカーのみが小売業の覇者になりうるでしょう!自ら制作して自ら販売するを早急に確保し得ず、もはや集客力の落ちた百貨店にだけ依存していたのでは生き残れないでしょう。
定期勉強会開催
次回の「クーデター倶楽部」開催日は4月28日(火)です。
テーマは「ボリュームゾーンの落日」part2です。
マス・ボリュームを狙った商品群がファッションから飲食まで大苦戦ですが、それでも検討している企業があります。その原因を追究します。
売れないボリュームゾーン
デフレ経済下では「良くて安い」がキーワードで、高額品や贅沢品は大苦戦を強いられ、ユニクロに代表される「良くて安い」が全盛期を迎えました。それ以来「安い」+「品質の良さ」は鉄板化し、一つの信仰にすらなった感があります。適正価格ではなく、ひたすら「安さ」だけを全小売業が工場からメーカー、そして販売最前線までが追求しています。しかし、本当にそうなのでしょうか?
今迄私は「消費者の多層化」を説いて来ました。消費者が幾つもの顔を持ち、「良くて安い」ものすら彼らのニーズの「ONE OF THEM」でしかないという事です。しかも「流行」のスピードが年々早くなり、早く終わってしまうというのも大きな特徴です。そして消費者ニーズは大きく舵を切りました。「良くて安い」ではもはや消費者は踊らないのです。其のことはバーゲン一つ見ても明らかです。この冬、バーゲンが売れたブランド・ショップ・メーカーは1社も無いのです。「良くて安く」ても「必要でない」ものは買わないのです。必要であれば囁きセールで買ってしまい、一般セールは用済みなのです。最新は「良くて安く、機能が在る」が必要なのです。ボリュームゾーンでこのニーズに合格はユニクロだけです。故にボリュームゾーンは全滅の憂き目を見ているのです。
これからのものづくりは「良くて安い+何か」がないと売れないのです。その「何か」は「流行」・「コラボ」・「今迄に無い」などのキーワードが不可欠になってきます。皆さん、この点を十分に気を付けてください。



