売れないボリュームゾーン

デフレ経済下では「良くて安い」がキーワードで、高額品や贅沢品は大苦戦を強いられ、ユニクロに代表される「良くて安い」が全盛期を迎えました。それ以来「安い」+「品質の良さ」は鉄板化し、一つの信仰にすらなった感があります。適正価格ではなく、ひたすら「安さ」だけを全小売業が工場からメーカー、そして販売最前線までが追求しています。しかし、本当にそうなのでしょうか?

今迄私は「消費者の多層化」を説いて来ました。消費者が幾つもの顔を持ち、「良くて安い」ものすら彼らのニーズの「ONE OF THEM」でしかないという事です。しかも「流行」のスピードが年々早くなり、早く終わってしまうというのも大きな特徴です。そして消費者ニーズは大きく舵を切りました。「良くて安い」ではもはや消費者は踊らないのです。其のことはバーゲン一つ見ても明らかです。この冬、バーゲンが売れたブランド・ショップ・メーカーは1社も無いのです。「良くて安く」ても「必要でない」ものは買わないのです。必要であれば囁きセールで買ってしまい、一般セールは用済みなのです。最新は「良くて安く、機能が在る」が必要なのです。ボリュームゾーンでこのニーズに合格はユニクロだけです。故にボリュームゾーンは全滅の憂き目を見ているのです。

これからのものづくりは「良くて安い+何か」がないと売れないのです。その「何か」は「流行」・「コラボ」・「今迄に無い」などのキーワードが不可欠になってきます。皆さん、この点を十分に気を付けてください。

© 2015 Coup d'etat CLUB.