百貨店不調要因 №3 「サラリーマン化」

「血気盛ん、勇猛果敢」そんな社員は見かけなくなりました。どっちを向いても「目立たず、休まず、働かず」と、かつての公務員のような社員ばかりになっています。新しい取引先や商品を他社に先駆けて発掘・導入し、消費をリードしようとする人は皆無で、「失敗したら大変」とばかり新しいチャレンジは会社全体で厳禁なのです。先輩達が発掘した取引先で、継続的に展開している定番商品を、前年同様展開する、ことが至上命題なのです。せいぜい他社が展開していて人気が有り売上も取れるコトやモノの実績を確認してから導入するというのが関の山なのです。業界全体をリードしてやろうという侍は討ち死にし、可もなく不可もなしという「サラリーマン」のみが生き残っているのです。

百貨店不調要因 №2 「会議」

百貨店不調要因の二つ目に「会議」があります。一つ目に述べたように上層部はなかなか決断をしません。会議では事前に用意された以上の資料を要求します。スタッフは使われるか判らない膨大な資料を毎回用意せざるを得ず、しかも会議のための事前会議すら行われることになるのです。百貨店の生産性が極端に低いのは無駄な会議が多いことに原因があると思われます。更に会議で議論されるべき内容が提出されることはまれで、資料の説明や報告が主力で、参加者は目の前に配られた資料を延々と読むだけの時間になるのです。これでは会議では無く報告会です。更に悪いことに参加者は質問することも無く、ひたすら無言で会議の流れがどちらに流れるかを読み、多勢につくべく、自分の意見はまず発表しません。そして不毛な会議は結論も不明確なまま終了し、決議はのちに上層部へ個別で持ち回られ、社長の意向に沿って、反対無く、密かに何処かで決まっていくのです。

百貨店不調要因 №1 「決断」

百貨店不調原因があれこれ言われていますが、不調原因の一つに上層部の「決断の無さ」が挙げられます。百貨店は「今までにない」「此処しかない」といった商品やサービスの提供が消費ニーズ対応に不可欠でありますが、新しいコトやモノの導入の決定の際に最大の障害となるのが「上層部の決断の無さ、遅さ」があります。スピードが求められる時代にこれは致命傷です。今の日本企業大手全体が同病に病んでいると思われます。