ユニクロの実験

​ユニクロが全く新しい概念のモノ造りにチャレンジします。『有明プロジェクト』、只のSPAから大きく脱却し、「情報製造小売業」化を目指すというものです。そのポイントは ・生産から販売までの時間をデジタル技術で大幅に短縮する。 ・消費者との接点をスマホ中心に刷新し、同社との双方向のコミュニケーションを確立し、時々刻々変化していく個々の消費者ニーズを捕捉して深堀し的確に応えていく ・この結果消費者がほしい商品を非常に短期間で生産し届ける仕組みをつくる
ということだそうです。 これが実現すると、リードタイムが圧倒的に短縮され、デジタルによる消費者とのダイレクトな接点も構築されて、販売機会ロスも過剰在庫も作らずに、個々の消費者に最適なファッション提案をし続ける事が可能になります。現状ファッションは1年前から企画されるので、どうしても実際のトレンドとズレが生じ、結果、販売ロスや在庫となり収益を圧迫してしまいます。 このロスは従来では『仕方がない』ものとして見過ごされてきましたが、これが多少でも減ればそっくり利益に上乗せ出来るのです。 モノ造りでも百貨店はユニクロの後塵を拝するどころか100年程遅れてしまいました。

高島屋の挑戦

新宿高島屋の新しいスポーツ売場ゾーンへ行ってきました。ユニクロの新開発スポーツ売場を核に、ウェアからシューズ、器具まで幅広いMDで久しぶりに楽しいゾーンになっています。問題もあります。ユニクロで集客した顧客を如何に他の売場に回游させるか、只待っているだけでは顧客は売場に来ません。今回、ゾーンの中心にイベントコーナーがあり、毎日開催されるそうです。かってはトイレの前まで売場にしていた高島屋としては画期的な試みです。ただ物を並べれる事が『MD』と言われた時代は遠く遥か昔に顧客に厭きられています。気がつかなかったのは百貨店だけでしたが、やっと気が付いたのかもしれません。

終わりの始まり

三越伊勢丹の新経営体制を見ると、一つの大きな不安を感じます。大西社長の時は営業経験の豊富なベテラン、それも本部の中から数字だけで企画を立てる文書屋ではなく、売場をくまなく歩き、お客様の生の声を聴いて指令をだす実戦型の店長や商品を良く知ってる実務派が営業を指揮していましたが、今度の体制では全く実務に長けた人選が成されていないからです。 役員の交代状況を見ると、新規事業を縮小して本業へ資源や人員を選択と集中するという事らしいですが、元々、大西社長時代の新規事業を計画推進していたのは今回社長になった人がやっていたのではないですか?役員交替理由も大西社長を初めとても不可解です。他の役員も漏れ聞きますと、セクハラやパワハラ、年齢を理由に突然の交替だったようです。しかし、実際のパワハラで有名な役員は昇格し、年齢理由で退任させられた方より年上の人でも残った方も居ます。よく見ると、大西社長の下で頑張ってきた方々、所謂大西社長派が総取り換えで、会長に尻尾を振った方々が(少し前迄、大西社長に尻尾ふってた方々)昇格しています。ようするに、『社長になりたい』というのが本音の、少しでも長く美味しい汁を吸いたいという輩の反乱というのが、今回の実態でしょう。多分、銀行筋の悪魔の囁きに踊らされた下劣な輩が、悪平等主義の組合をそそのかし、大西社長にスターの座を取られた売国奴が更に亡国の案に組したのでしょう。結果、今後の指針等あるはすも無く、下らない『社内対話』位しか言えないのが本音でしょう。何せ、社長に成りたかっただけなので、会社をどう導く等興味も能力も無いのだから! 今の百貨店は未曾有の業態不況下にあり、小手先の改革ではなく、根本からの改革を求められています。それなのに、社長に成ることだけが目的の輩が社長では、三越伊勢丹はもう終わりの始まりと言っても決して過言ではありません。 三越伊勢丹の社員の皆さん。心ある百貨店マンの皆さん。これで良いのですか?これでお客様に満足を与えられるですか? 大西社長はもう『会社に来るな』と新社長に言われたそうですが、『役員の務め』と、今でも毎朝玄関でお客様を迎えています。新社長や会長の姿はありません。こんなに素晴らしい百貨店マン達を追い出し、私利私欲に走った上層部を持った貴君達が憐れでなりません。

無念

三越伊勢丹社長の大西さんがクーデターにより社長から引きずり下ろされました。百貨店の先行きを誰よりも心配し、先を読んだ数多くの政策を打ち出し業態改革を進めて来たにもかかわらず、『現場がついていけない』などと甘い事を宣う一部の社員が組合と会長に泣き付いた結果の辞任命令だそうです。百貨店の現状を鑑みるに、『ブランドの入れ換えやリニューアルではもはや生き残れない』と熱く語っていた大西社長の顔が今も瞼に浮かびます。営業時間や日数を短縮したり、売上歩合給料制を導入したり、PB商品を海外まで拡販したり、あらゆる角度から全てを見直し、安易な人減らしではない本当の改革を、百貨店業界の中でただ一人真剣に考え実行してきたのに・・・・・・ 改革の結果等直ぐに出るはずもなく、結局、ろくに仕事もしない出来ない輩が、悪平等のなの下に、会社の置かれた現状より自分の『安易な生活』を優先した結果が今回の原因とは、後ろから刺されたのと同じです。伊勢丹は今回の事を悔やんでも悔やみきれない時代に直ぐに陥るでしょう。 心ある三越伊勢丹の社員諸君。大西社長が命を掛けて旗を振り続けた改革の旗を、降ろしてはいけない!百貨店が好きなら、最後の最後まで 前に進め!!!!!!!!!!!!!!!!

時代はこう進む・・・・・

流石創造集団が仕掛けるファーマーズマーケットが進化を続けています。従来の商業施設には無い緩い手作り感が良いのでしょう。今日は地方の中小酒蔵が「良い酒を作りたい」という共通意識の下集まった『SAKE FREE』というチームを率いている和歌山の平和酒造と、群馬県でたった一人で商業ベースに乗らず、「自分が食べたい野菜」を作り続けている奥田さんが野菜料理と日本酒のコラボをしました。どちらも大手の商業企業と組まず、自分達の目が届く範囲で顧客と話しをしながら、楽しみながら自分で販売する事を基本にしています。そして顧客要望を即座に取り入れてモノ作りに活かしているのです。商業主義に則った、ましてや大量生産大量販売の商品ではとても太刀打ち出来ないやり方ですが、少しずつ顧客の支持を拡げているのです。今から8年前の第一回はたった3人の顧客しか来なかったイベントが年間150万人もの集客を果たしているのです。ファーマーズを真似たイベントは各地に在りますが、作り手と買い手が商売を越えて繋がっているイベントは他にありません。集客に悩む大手百貨店は一度見に来ては如何でしょうか。時代は確実に此方に向いているようです。