加速する国際ネット通販

日本通運がアリババと提携しました。
中国の消費者がアリババの通販サイトで購入する場合、日通は現在主流の国際郵便より3割安い料金で中国まで輸送するそうです。更に、複雑な通関業務も引き受けるそうです。中国政府は今まで把握できず課税出来なかった個人輸入品に対し、輸入品の内容、金額、物流などの情報を電子データで提出することをこの4月から義務づけたため、ネット通販各社は早急な対応を求められていました。その為、日通とアリババ提携により初めてデータ一括送信化が可能になります。
今まで国際ネット通販のネックだった物流体制が整備されたことで、今後国際ネット通販の急速な拡大が予想されます。

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 世界制覇を視野に入れたJ・マー氏

時代と共に

大手婦人靴メーカー「シンエイ」が民事再生法を申請したニュースが大きく駆け巡りました。百貨店婦人靴売場の最大手で、一時は300億の売上を誇っていましたが、力が尽きました。理由は沢山あるでしょうが、その中で最大の理由は、売上のほとんどを百貨店に依存したことだと思います。婦人靴はサイズ展開の品出しで多くの販売員が必要です。百貨店の売場はメーカーや問屋からの派遣販売員で成り立っており、其処に百貨店の販売員の姿は在りません。嘗ての百貨店の入店客数ならば、販売員の人件費を補っても充分採算が採れましたが、現在の入店客数では、とても無理なのです。メーカーは百貨店に依存するだけでなく、自主販売の場を広く百貨店以外に創らねばなりません。さもないと百貨店と一緒に沈む事になってしまいます。
又、日本のメーカーは国内だけでなく世界に売って出る事を前提にモノ造りをすべきです。嘗てDCブランドが世界を席巻したように、世界を市場にしなければ生き残ることは難しいでしょう。その為にはブランディング化が不可欠です。世界に誇る日本商品が寿司と日本酒だけでは情けないとは思いませんか?今こそ、世界のモノを取り入れるだけでなく、世界に売って出る時です。
https://goo.gl/images/rakkGU

苦戦

今季のバーゲン戦も、予定通り?の苦戦が伝えられています。大型都心店から郊外店、地方都市の主力店に至る。まで百貨店の悲鳴が聞こえてきます。
主力の衣料は勿論、ファッション関連以外のアイテムも軒並苦戦に陥っています。
この原因のひとつに、百貨店の集客努力の弱さが在るように思えます。従来、商品力以外にも、文化催や物販催し、季節催事や数々の旬の話題を追いかけた集客イベントが御客様の足を百貨店に運ばせたものです。しかし今日では、確実に集客出来る催は物産展と組織動員が図れる「お教室」催しだけです。これ等の催も嘗てのようなシャワー効果が減り、売上効果が段々薄くなりつつあるため、開催回数が減っています。しかし、これ等の催しに替わる新しい集客策は未だ出ていません。
百貨店の不調は景気の悪さに基因するというより、時代変化の波に乗り遅れているとしか、どうしても思えないのです。昨日、IT時代を牽引した王者yohooがネット事業を売却し、今後は投資会社に変わるそうです。あっという間に時代を駆け抜けていきました。
百貨店がもたもたしている内に、時代はそのスピードをまして走り去って行ってしまいます。
全てを外因のせいにし、自身の努力を怠った業態は生き残れません。目先の売上のみに一喜一憂し、根本的対策を行わなければ、百貨店に明日は無いでしょう。

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土日に人で溢れる青山ファーマーズマ-ケット。食品から北欧の家具迄、何でも在り、人々は緩い時間と空間を楽しんでいます。

王者の進撃開始

ネットで6割の市場を押さえるアリババと家電量販第一位で2,700店舗を擁するの蘇寧が提携しました。正にヴァーチャルとリアルの融合開始です。共に業界1位同士の協業化は、小売りの新しい時代の1頁を開くものです。アリババは銀泰百貨店50店舗(百貨店第8位)を所有していましたが、リアル店舗運営ノウハウが溜まり、拡大スピードを劇的に上げるべく、今回の提携になったと思われます。蘇寧の店舗網活用は無限の可能性を持つだけでなく、その物流網はアリババにとり、とても魅力的に写ったことでしょう。さらに両者で7億もの顧客リストの活用策如何では、中国小売りの全制覇も夢ではありません。日本の小売業の奮起を祈ります。

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伝統とは革新の継続

九谷焼錦山窯の吉田幸央氏と奥様るみこ氏の展覧会を拝見してきました。
伝統工芸というと、昔からの伝統技法をそのまま受け継ぐだけのモノが多い中で、技法をより昇華させ、素材を現代に求めた斬新かつ美しい作品展でした。

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多くの窯が時代の流れの中に消えて行きましたが、百貨店や総合GMSと、相通じる原因があると思われます。それは伝統の上に胡座をかき、時代の求めるモノを認識出来なくなった事が最大の原因だと思います。どんな時代においても、必要とされなくなれば、どんなに素晴らしい商品でも、消えざるを得ません。
吉田先生達の作品は、伝統に甘んじることなく、常に革新を続け、伝統の刷新する鼓動が聴こえてくるようです。
どんな業種業態でも、革新を続けなければ生き残れはしないのです。

動き始めた百貨店

高島屋が、繊維メーカーの研究組織「繊維・未来塾」と組んでモノ作りに本格的に乗り出すそうです。今から5,6年前から産地メーカーと組むチャレンジを開始していましたが、今回は大手メーカーも加え、ブランドの高島屋限定品として、販売する仕組みにしたそうです。ONWARD樫山の「自由区」と「組曲」がその第1段になります。
一方、三越伊勢丹日本橋店は改装に当たり、「カルチャーリゾート百貨店」のコンセプトの下、文化を軸にフロアー構成や商品MDを見直しをして、現在5つのギャラリーを10に倍増させるそうです。衣料品は縮小してコミュニケーションを体感出来る次世代型店舗を目指すそうです。
日本橋が本店機能同士の改装競争はどちらに軍配が上がるのでしょう。

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調達先公募

そごう・西武が商品調達先を公募するそうです。衣料品から食品、雑貨や子供服など様々な分野の商材を、最初は同社の通販サイトで、売上が好調な場合は実際の店舗で常設販売するとの事です。公募商品売上高を、3年100億円にするそうです。
新しい試みで異例の取り組みですが、従来のバイヤー達は何をしているのでしょう? 公募とは、「此方で座って待っているから、美味しいところを持っておいで!」と言っているのと同じに聞こえてしまうのは、私だけでしょうか?インバウンドの恩恵が無い地方店が苦しいと言ってますが。インバウンドに関係なく、常に消費ニーズに対応しうる商材発掘はバイヤー最大の業務だと思っていましたが、そうではなかったんですね!
西武のバイヤーは伝統的?に外へ出ないようです。取引先を呼びつけては文句ばかり言うと、業界でのもっぱらの噂です。
かつて西武は時代に先駆けたブランド開発や業態開発、時代を捉えた見事な宣伝で一世を風靡したものです。PARCO会長の伊藤さんやロフトを創った安森さんなど、優秀な人材を沢山輩出した新興名門でした。その先輩達が築き上げたうえに胡座をかくという、正に現在の百貨店そのものであります。汗をかかなくなった百貨店は一体、何処に向かうのでしょう‼

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本音と建前

米国大統領選で、共和党のトランプ氏が話題になっています。その過激な発言が一般大衆、特に低所得層に受けていると聞きます。良識が謳い文句の評論家達はただのプロパガンダで政策に実現性は無いとか、本選挙では勝てっこない等とのキャンペーンかと思われる程の論じんを張っています。しかし肝心なことを評論家達は忘れています。国民がトランプが訴えている事柄に共感している、という事実です。
 理争論のみで、足下の現実の中で不満がたまっている国民の声が聞けなくなっているという事実です。トランプ氏は国民の本音の代弁者なのです。
 百貨店も同じではないでしょうか?
売れない理由を天気と経済のせいにして、消費者の声を真摯に聴いてはいないのではないでしょうか?時代は僕らの想像より早く廻っています。僕らが古くて、ダサいと思っていたことが、新鮮と思える次世代が育ってきているのです。

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戦後70年の制度疲労

三菱自動車が燃費偽装をしました。戦後70年を経て、日本経済を牽引してきた大企業の2度目の不正事件です。

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報道では、成績向上が金科玉条として社内にまかり通り、正しい事が言えない状況だったと言っています。
昨今、日本の企業は国際化の一貫として、株主に対してのみ、責任を負うことが企業責任であるかのような論調を良く耳にします。しかし、企業の存在意義は、如何に消費者と社会に貢献するかという点に尽きるべきだと思います。かつての日本の企業は、少しでも良い暮らしを、少しでも住みやすい社会実現のために頑張って来ました。それが戦後70年で、どこが悪いのか、誰が悪いのか不明のまま、少しずつ目的が狂ってきてしまいました。正に日本経済を支えてきたシステムそのものが制度疲労を起こしているのです。成績しか目に入らない経営者が悪いのか、モノが言える状況ではなかったと自己弁護をする社員がだらしないのか、どちらにせよ、社会が幼稚になって来ているとしか思えません。姑息な手段で守ったものは、伝統ある看板ではなく、個人そのものでした。これでは企業は存続する意味も意義も在りません。寂しい限りです。

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巨星墜つ

セブン&アイ鈴木会長が辞任しました。コンビニエンス業態を日本仕様に進化させ、消費者文化に大きな足跡を残すと同時に、小売業界に多大な影響を及ぼした風雲児でした。圧倒的権力を持ち、揺るぐはずが無かった磐石の体制が、意図も簡単にひっくり返ったのには、誰もが驚きました。株主中心主義である現代資本主義の、時の権力者が利益さえ出せば、ずっと権力の座に居られるという恐ろしさを、身に染みる政変劇でした。これをもって、保身に走る経営者が居ない事を祈るばかりです。

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