アルマゲドンの始まり

セブン&アイ・ホールディングス傘下のそごう・西武が運営する関西地区の店舗をH2Oリテイリングに譲渡することが発表されました。両社は相互に57億円程度の株を持ち合い、提携に踏み切るとの旨。これを期にそごう・西武は大規模な規模縮小を計り、業

態変化も厭わず、生き残りを模索するとのことである。

百貨店が同業他店に店舗を譲渡するという前代未聞の策を行う意義は何処にあるのだろう?セブン&アイ・ホールディングスとH2Oとの提携は何処まで効果が期待できうるのか?今百貨店に望まれる事は目先の呉越同舟は勿論、縮小均衡策を取るのではなく、「何故モノが売れないのか」真剣に検討し、消費者ニーズをしっかり把握し直し、その上で対策を取るべきを、先に「取り合えず・・・・・」ばかりで、事の本質を理解していないことが現在の危機的状況を招いたと大いに反省すべきである。相互のポイントカードが使えることが顧客の利便性を大幅に引き上げるとは考えにくいし、そごうの看板が阪急に変わっただけで売上が上がれば苦労はしない。

現実味が出てきた百貨店最後の切り札

百貨店の不振が止まりません。ここへきて、上層部もやっと不振理由が経済だけではないと、理解し始めた様です。しかしその根本的対策となると未々充分に練られたものがあるかというと、未だ舵先が決まった百貨店はありません。
一部の経済紙では無責任に「百貨店の大閉鎖時代」が来ると言っています。このまま無為に時間が過ぎればそうならざるをえません。他業態と競争力が無い地方店や郊外店では売上確保は勿論、赤字の垂れ流しを止めることは難しい状況下にあり、衣料中心からありません。MDを変更するのも消費者の眼鏡に叶うか否かは定かでありません。
百貨店はこの従来と全く異なる不況を乗り切るには、大胆な戦略転換が不可欠です。そして社会全体が「百貨店はもうダメだ」という今こそそのタイミングなのです。いずれ持ちこたえられなくなる赤字不採算店を一挙に閉店させ、大都市部に展開している大型店舗をのみを存続させるのです。「積極的閉店策」による赤字部門の積極的な削除です。今なら建物を売却することも可能だし、社員を割増早期退職させたり、配置転換も出来るでしょう。組合も納得するでしょう。行政も何も言えないでしょう。
こうして戦線縮小を計り、「数の論理」から「質の論理」へ転換し生き残りを計るべきであります。これが出来るのはまだまだ多少でも体力があり、早期退職者に充分な退職金が払える今がチャンスなのです。
そうして仕入体制からMd全般、消費者ニーズを再びリードしうる百貨店にならなけば、いけないのです。

MATUOの挑戦

松尾インターナショナルの新業態店に行ってきました。相模原伊勢丹の3Fにできた「M2➕」です。これは松尾インターナショナルが協力メーカーの商材をチョイスして編集したセレクトショップです。此処までは今までも在った話ですが、従来と違うのは、松尾インターナショナルのブティックがプラットフォームとしての機能を果たし、テイストの異なる複数のターゲットにあらゆる角度からのコーディネートを提案していくというものです。結果、顧客サイドの商品選択肢が格段に拡がり、購買点数や単価を増やすというものです。その為90坪という大きな面積に約60のブランドが展開されています。中にはフラワーコーナーがあったり、靴のゾーンが在ったり、Mrs.の好きなアイテムが配置され、回遊を意識した売場造りは期待できそうです。
松尾社長は販売機会の少ないメーカー商品に売場を提供し、工場やメーカーとの共存共栄を目指しています。
問題は見掛けの店頭効率のみを気にする百貨店が、売上を落としても利益効率が上がる大型ショップ展開に理解を示すか否かです。地方店ではメーカー撤退で割と出店しやすいでしょうが、売れる都市部では厳しいでしょう。
百貨店が時代の流れに目を向けてくれることを祈るばかりです。
がんばれー松尾社長!

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三越千葉店撤退

三越・伊勢丹の千葉店閉鎖が報じられました。都心店以外は流石の伊勢丹でも手の打ちようがなかったのです。
爆買い対策だけに奔走し、日本人顧客対策を怠ってきたつけを払う事になったのです。日本の百貨店のなかでも、積極的に顧客対策を次々と打ち出していた伊勢丹ですら、郊外店を救えなかったという事実は他の百貨店に驚愕的な衝撃を与えました。今だに爆買い復活に望みをかけるしか策がないという百貨店にとっては辛い話です。
一方、都心部に大型店舗を擁する百貨店は、一般的な「百貨店は苦戦で店舗閉鎖が続く」というムードを密かにほくそ笑みを浮かべているかもしれません。何故なら、企業の社会的責任として地域の雇用や、消費生活に多大の影響を及ぼすため簡単に閉店できない百貨店が、今なら簡単に閉店出来る情況に成りつつあるからです。

若手の奮戦

クーデター倶楽部会員の「米のさくら屋」さんが『ガイヤの夜明』テレビ東京に出演されます。青山ファーマーズマーケットでデモンストレーション中の取材です。藤川社長は関東に初めて北海道産ユメピリカを紹介した気鋭です。北海道ではネット通販中心だったので「生のお客様と触れたい、声を聞きたい」と単身、店頭販売に挑んだのす。
その結果、1日平均150本を超える売上を叩きだし、一躍売上№1の座を確保しました。2か目以降は、再来店頂いたお客様も徐々に増え、試飲したお客様からネットや電話の注文も50数件入り、「お客様と会話することの重要性を初めて知りました‼」と話されています。
ネット通販の存在感が日々増えるなかで、「小売の原点」は対面接客であるとしみじみ語る社長の笑顔は飛びきりのものでした。
今後の更なる発展を祈念致します。

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モノ造りの本質

MOUSEコンピューターをご存じですか? 飯山トラストという企業が生産しているBTO(受注生産)方式の国内生産コンピューターです。大手は挙って撤退や縮小しているハード生産ですが、この会社は果敢にも個人オーダーコンピューターを信じられない低価格で販売し、売上も好調と聞きます。その原因は何なのでしょう?大手の大量生産・大量販売に背を向け、個人顧客のニーズを「オーダー」という形で、それも独自のソフトや技術開発による低価格で実現させた事でしょう。更にネット専用のPR動画は、企業の基本姿勢を明確かつシンプルに表現しており、正に時代の生き方を提案しています。是非、一度CMを視てください。百聞は一見にしかず、です。

「もしもロボットが居てくれたなら」

天皇陛下 万歳

今上陛下が御自身の進退について語られました。御高齢での国事行為が多い事に対する健康不安が原因ではなく、天皇として国と国民に対して勤めが充分果たせ無い事への申し訳なさからの御発言でした。更には陛下御自身が崩御なさった時の、社会的影響の大きさを少しでも軽減なさりたいという有難い大御心からの御言葉とは、余りにも勿体ないことであります。
一方、現代の経営者は会社を支える社員を第一に考えるのでは無く、株主しか見ていない人が多く、社会に於ける企業の存在意義が「金儲け」しかないとは余りにも情けないではありませんか!今こそ企業を率いるトップの資質が問われる時代はありません。戦後70年が経ち、日本のあらゆるモノやコトが時代に合わなくなり、2675年続いた皇室でさえ、陛下御自身から変わろうと為さっているにも関わらず、小売業のほとんどが「変わらない」事こそ自社の存在意義だと言わんばかりの、時代を読めない業態は如何なものでしょう?
天皇陛下の末永いご健勝と皇室の永遠のご繁栄をお祈り致します。

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反撃開始

高島屋ベトナム店がオープンしました。低迷する国内需要対策として、此れから消費拡大が確実な東南アジアへ百貨店の新しい活路を求め、高島屋の東南アジア戦略の第3段です。来年以降タイやインドネシア、マレーシアと一大海外店舗網構築を予定しているそうで、鈴木会長の決断下、一気呵成にシンガポールでの成功を拡大し、東南アジアでのシェア-独占を目指しています。海外では未だカントリーリスクが大きく、百貨店が利益を確保しうる迄時間が掛かると思われますが、高島屋の決断は将来を見据えた、大変重要かつ称賛されるべき判断だと思います。中国での貴重な経験を基に、是非成功させて貰いたいと思います。

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ニッセンを完全子会社化

セブン&アイ・ホールディングスが連結子会社のニッセンの完全子会社化を決めました。コンビニ以外の本業で苦戦が続くセブン&アイがリストラ推進の為の動きを加速させた一環です。ネット通販時代に乗り遅れた大手通販は、セブンの推進するオムニチャンネル戦略の下、どの様な改革をするのでしょう。同グループの西武・そごう百貨店は新に筑波店と八尾店を閉鎖予定だそうです。旭川店と柏店が既に閉店決定なので、百貨店は撤退縮小以外、何の対策も見当たりません‼通販も単なるネット通販化以外に生き残ることは難しいのでしょうか?小売業者の知恵の絞りかた次第では無いでしょうか?
小売業の奮闘を期待します‼

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加速する国際ネット通販

日本通運がアリババと提携しました。
中国の消費者がアリババの通販サイトで購入する場合、日通は現在主流の国際郵便より3割安い料金で中国まで輸送するそうです。更に、複雑な通関業務も引き受けるそうです。中国政府は今まで把握できず課税出来なかった個人輸入品に対し、輸入品の内容、金額、物流などの情報を電子データで提出することをこの4月から義務づけたため、ネット通販各社は早急な対応を求められていました。その為、日通とアリババ提携により初めてデータ一括送信化が可能になります。
今まで国際ネット通販のネックだった物流体制が整備されたことで、今後国際ネット通販の急速な拡大が予想されます。

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 世界制覇を視野に入れたJ・マー氏

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