無印良品の進撃

無印良品の店舗が全世界で888店舗になるそうです。この売れない時代に順調な業績を誇るその秘密は何処にあるのでしょう?金井会長にその秘密を伺いました。
『「これが良い」から「これで良い」暮らしの提案』が標語のように『足りる』事が幸せと感じる社会に向けて良品計画が何をすべきか常に考えています。金儲けを目的にした会社か消費者を幸せにする事が目的の会社か、当社は後者でありたいと考えています。「株主の為に企業はある」という会社や「金儲けだけ」が目的の会社にはなりたくない』と語られました。とても含蓄のあるお話です。フェラーリに乗って高級レストランに行き、チップを弾んでノーネクタイ&半ズボンで一等席を用意させ、メニューに無いハンバーガーを注文し大きな声で傍若無人にまるで自分がスターだと云わんばかりの振る舞いをする人とは全く無縁で休みの日は家族で里山ボランティアに参加して秋の収穫に向けて、下草刈りや土地整備に汗を流し、お弁当を食べ終わったら草の上で昼寝をするといった、本当の贅沢な生活を普通に行える為に無印良品が出来ることをやりたいという、何と時代の先をしっかり見つめた発言なのでしょう!此れからの企業トップはこれくらいの明確な社会使命を語れなければダメだと思います。
金井会長、相変わらず素敵でした

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百貨店の反撃

三越伊勢丹が(株)CCC(ツタヤのホールディングカンパニー)と提携を発表しました。両者で合弁のマーケティング会社を創設し、ライフスタイル提案型商業施設など、新たな事業の企画開発を推進するとの事。時代を見据え、常に消費者サイドで物事を見て、消費ニーズを先取りしてきた両者が組んだことの意味は我々の想像以上の重さが有りますね。これからは各業態1社しか生き残れない時代において、異業態同士のコラボとしてはかなりの規模と実績を目論んでいることは確実でしょう。
三越伊勢丹の大西社長は常に現状の業態としての百貨店に危機感をお持ちで、お話をする度に、その斬新且つ先見性に驚かされます。今回の施策も数ある大西流改革策のひとつでしょうが、今後の発展を見守って行きたいです。

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総合から「個」へ

前回、セブン・アイの総合スーパー2割閉店の話をしました。これは総合という名の下に顧客を一括りで括る事がもはや時代のニーズに合っていないということを物語っていると論評しましたが、訪日顧客も一括りではいけないと「ガイアの夜明け」で同じ様に語られていました。その理由は訪日顧客の母国は多種多様で、各々文化も違えば習慣も違い、来日目的も違うというのです。当たり前といえば当たり前ですが、今まで我々はどうしても一括りにしてレッテルを張り、効率のみを追求し過ぎていたように思われます。彼らは求めるサービスも違うし、何が一番彼らのニーズなのか真に理解しないと、画一的なサービスでは直ぐに飽きられてしまうからです。さらに番組では東京の大丸百貨店が外国人による覆面調査員を投入し、どの様なサービスが今後必要なのか、販売員がきちんと対応しているのか、品揃え・サービスと販売員教育まで一貫して対応すべく調査を開始していました。その時担当した販売員は完全に気後れしてしまい、覆面調査員からはダメ出しを食らっていました。訪日外国人に販売員全員がきちっと接客できるよう教育する事はすごく重要であると番組は話しており、話せなくても方法はいくらでもあると言っていました。しかし、これは外国人でも日本人でも同じです。消費者は個々ニーズが別々であることは当たり前なのです。この事に日本の小売業は早く気がついて欲しいものです。

「総合」時代の終わり

セブン&アイが総合スーパーの40店舗を閉店すると発表しました。衣料を中心に不振が続き、効率悪化店舗を一挙に閉店するようです。これは、「何でも揃う」事を謳い文句にした「総合」の敗北以外の何物でもありません。消費者は己の感性による「ライフスタイル志向」を強めており、「誰でも」や「何でも」と言った万人向けの商品には背を向けているのです.価格やテイストだけではなく、自分の主義に合う商品を選択するのです。売り手が拘った品揃えで、拘った空間で、売り手の心が、ライフスタイルが分かり、共感出来て初めて購入するのです。小売業はこの店をしっかり把握、理解すべきで、この点を理解出来ない店が多すぎます。特に大手企業は全く理解していません!至急改善すべきです。特に経営層は理解出来なければ辞めるべきです.

 

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新しい時代の幕開けになるか?

高島屋がオンワード樫山HDが、店舗とECを融合させるオムニチャンネルの共同プロジェクト開始するとのニュースがありました。オンワードのEC在庫をタブレットで調べ、➀店頭とEC在庫から商品紹介②EC在庫活用で欠品防止③コーディネート紹介④宅配のメリットを訴求していくそうです。海外や国内の大手チェーン衣料店や専門店では既に行われており、売逃し防止やストック場へ販売員が在庫探しに往復してかかる時間軽減に大きな効果を発揮しているシステムです。日本では小売り各社がバラバラに独自のジャンコード設定を行っているためにメーカー在庫との連動が難しく単品管理による在庫管理が完全に行われている企業は大変少ないです。その為、うるさく言う店や売れる店にはメーカーも在庫管理をしっかり行い、売れ筋商品を優先的に回しますが、そうでない店はメーカーのストック場代わりに使われているというのが実態です。それ故、小売大型店が独自でEC展開を試みても中途半端な展開で、中途半端な結果に終わる事が多く、現場ではECは(Electronic Commerce)ではなく(いいかげんで、困っちゃう)と言われているのも事実です。今回はオンワードの仕組みに高島屋が乗っかった格好ですが、百貨店店頭にはオンワードからの派遣社員しかおらず、この仕組みをどう強化発展させていくかオンワードにおんぶにだっこでは意味がなく、少なくとも進捗を研究するには百貨店社員を売場に常駐させ、顧客の反応をオンワードから聞くのではなく、自ら想定目標値を決め、それに対しての数字だけの結果内容把握ではなく実態把握を行うべきでしょう。それとのこの実験で得たデータを品揃えにどう反映させ、どう店舗独自色を打ち出し、固定客に更なる購買点数増をコーディネート力強化によって図れるかという観点を徹底して研究しなければEC(ええ調子)には行かないでしょう。

 

期待される最後のプロフェッショナル

我が盟友、(株)BOLSの二村社長がONWARDワールドファッション(株)の社長に就任されました。海外ラグジュアリー業界に於いて、この人を知らない人は居ないというぐらい日本より海外で有名な方であります。新人の発掘から育成、ファッションビジネスの本質を捉えた見事な環境政策、社会還元を会社の設立基本に据えるなどの先見性と、日本の企業では稀有な存在の人物であります。決して傲らず、謙虚で
、でもどんな情報も見逃さないファッション感度は、抜群のセンスの良さを誇る奥様のいつも素敵な笑顔と相まって、日本最強のファッショニスタと言えるでしょう。
戦後70年続いたファッションビジネス業界も世界的に制度疲労をお越し始めている現在、大手企業はもちろん新興企業ですら「yes」マンばかりで、このままでは再浮上は有り得ないでしょう!二村社長には組織のしがらみがない分、物事の是非がよく見えると思います。改革を邪魔する守旧派及び利権一派も居るでしょうが、止まらず、常に前進あるのみです。心より応援しております。ファイト

反撃の巨人=楽天

海外へ日本商品を販売するネットビジネスに逆らう様に、海外商品を日本で買えるように楽天に韓国企業数十社が出店する事になりました。日本での入手困難商品が手に入り易くなる一方、配送事故や商品不良を楽天が保証するとはいえ、不安が残ります。現在は平行輸入商品がほとんどなので正規商品というのは大きな魅力ではありますが・・・・・!爆買いばかり目が向いている小売業にとって、日本の消費者対応強化は、大きな警鐘になるでしょう.

 

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時代は進む

ユニクロが週休3日制導入を発表しました。1日8時間勤務を10時間勤務に希望すれば週休3日という事です。労働時間を1日単位では無く、週や月単位で捉える「変形労働時間制」を活用する事で、週休2日と給与は変わりません。子育てや介護などと仕事を両立させ、人材確保や離職防止が狙いです。私が小売業界に入った時、日本の労働事情は完全週休2日ではありませんでしたし、サービス残業は当たり前、女性は労働時間が限られ、所謂通勤服が常識でジーンズなどでの通勤はご法度でした。誰もが終生勤務するのが当たり前でした。 働く人の意識もどんどん変わり、社会がどんどん変わっていく中で、小売りの各企業は株主ばかりを気にして、目先の利益アップばかりに捉われず、働く人の幸福度向上を最優先する時代だと思います。これからの販売は販売員が大きなカギを握っています。此処でしか買えない物など無いのですから!伊勢丹が販売員のインセンティブを導入する予定ですが、当然の事だと思います。百貨店は特に現役販売員の役員がいておかしくないと思います。帝国ホテルはかつてホテルにおける料理の重要性を認識して、料理長を重役にしていたくらいです。口先のサービスは顧客から見れば笑止千万です。心のこもったサービス要求する為にはまず、自社の社員が心から喜んで仕事に精を出せる環境と、成果を出したら当然分け前がある事が時代の流れでは無いでしょうか?

今度は中国第2位のネット通販が!

中国ネット販売第2位の京東商城が日本商品に特化した専門サイト「日本館」を立ち上げました。「安心・安全」として生活用品や美容用品を中心に日本製品人気が急速に高まっており、日本製品を直接仕入れし自社ネット上で販売すると同時に、「日本館」への出店・運営代行も行う。特に通関や国際物流、海外集金まで煩雑な手続きを請け負うのが特徴。定期的に日本での説明会を開催し、人材や資金的理由で中国進出が難しかった中小企業や地方企業の参加を広げる予定だそうである。

ネット販売は偽物が横行し、商品の信用性が最重要化しつつあるので、今後は直接日本から仕入して品質保証を行う事が不可欠になるでしょう。これでネット第1位のアリババ、2位の京東商城、第3位の網易と上位3社が直接日本から品質・商品保証を謳い文句に買い付けや出店代行を行う事に成りました。今後この流れは加速する事は間違いなく、日本国内で「爆買い」に浮かれているだけでは、また、中国ネット業界に足元をすくわれる可能性が大きくなってきました。日本の小売業は真剣に、ネット対策では無く、積極参加を実施すべき時期に来たと思われます。

動き出したネット販売の神髄

三井物産が中国ポータルサイト第3位の網易(ネットイース)と提携しました。これは前回投稿した「アリババの挑戦」に書いたように、いよいよ日本の大手商社が日本商品を直接中国にネットを通して販売するビジネスモデルの第1段階に本腰を入れ始めたという事です。日本の小売各社は「これからはネットが重要」と口先では必ず呪文のように唱えますが、その重要性の根本を理解している企業は残念ながらほんの一握りでは無いでしょうか?まして具体的な国際取引を検討している小売業者を私は知りません。今回の仕組みは物産が日本商品を調達し網易に売るというものですが、網易が上海の経済特区に設置した保税倉庫に商品を配送し、そこを商品在庫基地としてストック機能として活用し、網易が運営する海外商品専門サイト「ネットイースと・コアラ」に網易が展開し、中国国内に販売・配送するという仕組みです。かつて楽天が中国販売を試みましたが上手く機能しなかった仕組みと似ていますが、➀関税特区で無税②保税機能として現地在庫可能③提携先の海外商材専門サイト商材の信頼性大、などが前回と異なる点であります。中国人による日本国内での爆外理由の一つに「商品に対する信用性」がありますが、➀物産が商品調達する事②在庫を中国本土に持ち、配送日数が従来の約1か月から2~3日に短縮できること③関税障害が無く、内外価格差が少ない事により、中国国内での需要に対して日本製品の最大供給者になる可能性が出てきました。

更に第2段階では、日本のサイトから直接商品を購入できるようにし、日本国内から直接3~4日で配送できる物流網の構築が予定されます。第3段階では決済機能も、クレジットカードの他に銀聯カード、現金(元)、更には代引きなどの日本国内と同じ決済機能を導入し、国境を越えた国内同等の商品往来を可能とさせるようです。この段階では、日本国内の爆買いは息を潜め、当たり前のように高級商材から日用品まで膨大な量の商品が両国間で行き来をするようになります。今回の提携をより強化推進する為に、三井物産は網易への資本参加を視野においているとの事です。

現時点で中国への商品はMD以前で、「取りあえず日本製品なら何でも」感が圧倒的ですが、中国消費者の急成長ぶりを見れば(日本の10年分を1年で達成してきた)、すぐにもどの様な商品をどの様に展開するかというMD展開が不可欠になるはずです。そうなると商社が相変わらずの大量仕入れ大量販売を指向するなら、MDの本家本元である百貨店にも大いなる勝機が見いだせるはずです。現在日本の百貨店は未だ十分な単品管理すら行えていない状態で、売上も最大規模で40億~50億足らずであることを鑑みればすが、本気でネット販売に取り組まなければ手遅れになる可能性が大きいです。ヨドバシカメラはネット売上1000億を達成し、5年以内に8000億円を目指すための物流システムを完成させたように、投資額も人員も大幅に強化された体制を早急に組み、ディスカウンター業態の総合小売り化完成の前に、独自の得意領域を占有しなければ生き残れないでしょう。ネット販売はファションだけなどという時代では最早無いのです。

 

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