伊勢丹の挑戦


伊勢丹PB商品の『靴』が海外進出だそうです。かつては他社との差別化政策で他社に卸すなど論外でした。一時期はほとんどの大手百貨店をはじめ地方百貨店や総合スーパーまでPB商品花盛りでしたが、現在まて残っているのは食品スーパーPB位で、百貨店系はほぼ全滅状況です。

なぜなら百貨店の店舗数で売れる量はたか知れており、拡販をしない限り採算が取れるまでの数量が販売できず、結局数年経つと中止されてしまうからです。多くの百貨店はあらゆるアイテムでPBを作っては撤退を繰返し、最後には諦め撤退していったのです。現在では自主の売場も無く、売るための自社販売員も持たず、モノを作れるバイヤーも居ないためPBを作る事は不可能になってしまいました。そんな中、伊勢丹は地道にデザイン企画から生産管理まで自社で行える体制を整備し、少しづつ経験とノウハウを蓄積し、始めてから10年を経て海外にその販路を求め進出するまでに成長したのです、現在では10万足生産するまでになったのです。『なんだ、たった10万足か』と言う声が聴こえてきそうです。しかし、マスコミも同業他社も実際無責任な評論だけて、10万足の持つ本当の意味を理解していません。特にメーカーや百貨店のマスコミ向け先行バーゲンで7~9割引でしか買わない連中は、モノを作り出す難しさや苦労など全く理解しようともせず、海外ラグジュアリーしか認めようとしないのです。そこで、『伊勢丹はポップアップしかしない』『靴PBは安物』としか評価できないのです。現場では、お客様の声を徹底して集め、従来の常識と違い、幅の小さい2Eや1Eが求められている事や歩きやすいヒール開発を行い、単なるNBとデザイン違いでしかない、見掛けだけのPBとは全く異なるPBを開発しているのです。

百貨店は12月23.24.25日は久しぶりに絶好調で12月予算をクリアしたと思われます。そして、血の滲む思いでPBに再挑戦している伊勢丹の海外進出が本年最後の報告で、少し気が軽くなりました。『百貨店はまだまだやれる』と。

皆様、良いお年を!

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