新しい百貨店とは? 新業態の百貨店№4
3) コト寄りの拠点として新しい生活提案を行うこと
百貨店は今迄の物販施設としての機能だけでは生き残れません。場所貸し化やブランドを詰め込んだ形でも、SC化でも専門特化型でもごく一部の百貨店しか生き残れません。消費者は「モノを買う」ためだけにはわざわざ時間とお金をかけて買い物にはもはや来ません。「今この瞬間」だけしか味わえないコトや「此処でしか買えない」か「此処で買うのが好き」といった「此処」でしか楽しめないコトが集積され、時間と空間が自分の好みで展開されている場所にしか興味が無いからです。「何処でも」「何時でも」買える「場所」や「モノ」には時間を費やす暇は無く「たまたま」ではなく「わざわざ」求めなければ得られないもの、イベントなどの一過性ではなく、日常的に提供され消費者自身の生活の糧になるべき「コト」が望まれるのです。そういった意味で教養や知識を身に着けられる「学習」であったり気の置けない仲間が集うカフェレストランで過ごす「時間」であったり、多種多様の「コト」の集合体に進化をしなければなりません。もっと身近に言えば「料理教室付きあるいはレストラン付きの食品売り場」や「修理・お直しは勿論パーソナルコーディネーターとお茶を飲みながらファッション談義ができる衣料品売り場」などが当たり前になるのです。そうでなく単にモノを販売するだけの施設ではネットにかなうはずが無いのですから。