新しい百貨店とは ? 新業態の百貨店№2
百貨店復活の要件
1)地域密着型で地域コミュニケーションの中核化機能を持つこと
百貨店は新しい商品・展開方法・販売方法を開発することにより消費文化をリードしてきました。しかし消費者のモノ離れが進む中で「ブランドAがダメならB」と、ネット時代のリアル店舗のあり方を模索するのではなく、流行を追い続けるだけの「モノを売っているだけの箱」になってしまいました。肝心の商品もネットの拡大により何処でも何時でも手に入れることができるため百貨店はわざわざ行ってその空間や時間を楽しむ施設ではなくなりました。
こんな百貨店を復活させる要件の一つに、消費者が集い時間と空間を楽しめる施設に変ることがあります。物販以外のコトや趣味で消費者が集いコミュニケーションを活性化させ、最後にはコミュニケーションを目的に集うようにする事です。従来でも会員組織での旅行や趣味の会、知性を磨く勉強会などがありますが、もっと広い年代が自然に集まれる施設になる必要があります。公共施設や病院、保育園や学校などがあるのは当然、老人ホームや携帯ショップ、薬局にコンビニなど町中にあるものは全てあるべきでしょう。更に若い人に人気のダンススクールやお年寄りに人気のハワイアンスクール、人気のスウィートショップや飲食なども重要でしょう。ただし重厚長大な売り場ではなく消費者ニーズが変わったらすぐ入れ替えが効く簡便な展開法であることが前提です。それも何処にでもある商品や店舗ではなく、地域に根付いていることが重要です。大都会で展開されている何処にでもあるチェーン店などを展開しても、「わざわざ」来る意味合いが無く、地域密着の「ここにしかない」商品や店舗を導入することが大前提です。そしてホテルに焼き鳥屋に寿司屋、酒が飲める蕎麦屋にラーメン屋、バーやGバー、クラブがあっても良いでしょう。 違う年代、違う価値観、違う趣味が混然と一体感を満たすコミュニティーを創り出すことが今の百貨店再生の第一段階です。若い人が来ないから若い人向衣料ブランドを入れるのではなく、ラーメン屋なら老若男女誰でも集えるからです。百の商材を売った百貨店から百の価値あるコトを展開する百価店へ変わる時です。