巨艦沈む シアーズの倒産
「電話帳」で有名な米国小売大手のシアーズが倒産しました。ネット台頭に伴う消費者の買い物スタイルの変化について行けなかった事が原因だそうです。かつてシアーズは消費の拡大に伴い店舗が無いエリア向けに「電話帳」と渾名されるほど分厚いカタログで生活全般に渡る商材を販売し急速に伸びた企業です。その後リアル店舗を郊外型ショッピングモールに展開し、廉価な商品と幅広い品揃えを中心に消費者の支持を集めてきました。米国消費の拡大に併せて拡大してきたシアーズは時代のニーズに対応して伸びたといえます。しかし、創業125年たち、会社が硬直化し時代の変化に乗り切れなくなり今回の結果を迎えました。シアーズだけでなく米国の小売りはアマゾンをはじめとするネットの台頭に顧客を奪われ続けています。今年だけでもリミテッド、トイザらスなどの大手企業から靴のナインウェスト、健康サプリのビタミンワールドなど数多くの企業がその歴史に幕を閉じました。どの企業も消費者ニーズを確実に掴み伸びてきた企業です。しかし企業努力のスピードを上回る速さでネット拡大に伴い消費者の購買手法やニーズそのものが変化してきたのです。消費者は正直です。自身のニーズに合ったものしか求めません。今迄は商品自体が良ければ問題はありませんでした。今は価格や品質は勿論、手元に届くまでのスピードやサイズ交換の利便性、24時間可能な購買時と時間やスピードなどの利便性が求められます。今迄の配送時間・コストや商品交換の手間、色・サイズの在庫状況と取り寄せ状況など既存の体制では全く対応できないのです。今迄の勝ち組は早急に商売の「仕組み」改革に取り組まねばなりませんが、日本の小売り大手はどこまで真剣に向き合っているのでしょうか?残念ながら真摯に対応を図っているどころか、検討すらされていないのが現実です。