新たな挑戦
日本のモノ造りが不調です。原因として一つ目は海外メーカーが追い付け追い越せで技術力を身につけ、低価格で競争に挑んできたこと。二つ目は日本のお家芸ともいえる改善による商品進化が限界に達しており、新機軸の技術開発が不可欠になっているにもかかわらず開発が遅れていること。三つめは消費者および企業からの要求に応えることができず、データ改ざんや検査自体を甘くして性能が向上したかのような嘘をついてきたこと、が挙げられます。では何故このような事態に陥ってしまったのでしょう。
かつて日本の物造りはその品質の良さで世界を制覇しましたが、その品質とは「実用に供するに最高の」という意味合いが強く、そこには残念ながらデザイン性や装飾性はあまり含まれてはいません。日本のモノ造りは昔も今も世界最高水準であることは間違いがありませんが海外から見ると「安いけれど良い」商品だったのです。その為必死で安いけれど機能が満載であったり、新技術がでると直ぐにより進化したバージョンを出したりしてその地位を維持してきたのですが、AIの発達によりハードはソフトの開発スピードに追い付かなくなってしまったのです。結果、新機能のハードは出しても出してもすぐ時代遅れとなり、多くの企業が新製品開発に疲れてしまったのです。この状況を打破するには方法があるのでしょうか。答えはあります。それは「デザイン」です。人々は商品に機能を求めている以上にその「デザイン」によって選択する場合が多々あります。そしてデザインが良いとその特徴から「ブランド」化しやすくなり、最終的には価格も通るようになり、価格競争からの脱却が見込めるようになります。そうなると市場も国内に限定されることなく世界を相手にターゲット化でき、日本製品が再び世界に飛躍するでしょう。現在マツダが「マツダデザイン」と称してデザインのオリジナリティを追求し始めていますが、完全なオリジナルデザインを完成させるにはあと数年掛かるでしょう。期待しています。