コロナ禍からの復興2021№19
先進国の中で日本の労働賃金は低いと言われてきました。狭い国土で一つの仕事を皆で分け合うために低賃金が定着したのです。問屋制度はその代表例で、生産者から消費者に直接商品を流せばよいのに敢えて中間に位置し搾取する業態は日本ならではのものです。総合商社などはその究極の形かもしれません。同じようにメーカーに場所貸しで利益を取っている百貨店は世界中から無くなり、残っているのは日本と米国の一部くらいになってしまいました。
ネット販売拡大が生産者と消費者の直接売買を可能とする時代となり、これからもっと隆盛になることは間違いありません。何処でも何時でも買える商材はいちいち中間集積業者に頼らずとも消費者は直接商品を選び購入できるのです。消費者の生活様式は大きく変わるはずです。そして直接商品を配送する為にドローンやウーバーを初めとする新規配送形態の業種が更に伸びていくでしょう。
しかし生活が一変する可能性を占めた新しい技術と、その技術を活用して企業中心だった今迄の働き方を改革するDXを企業が真剣に取り組む為には最大の弊害になるのが既得権益を守るために造られた各種「規制」です。デジタル化の最大の障害はこの「規制」です。この規制は利益追求のためには消費者も社員も利益確保のために存在するという間違った資本主義を信奉する経営者や、利権で楽して利益を追求する一部の既得権者ががっちり守っているのです。
現在、タクシーは物だけを運ぶ事は規制されできません。(コロナ禍下では期間限定の例外規定で許可) ネット販売が自家需で増加し配送業種は人で不足で汲々なのにタクシーは乗車客がおらず乗務員は無駄に休まされており、企業は政府から補償金を血税から取っているのが現状です。モノを運べれば多少でも利益になるにもかかわらず、ウィンウィンなのに規制の壁がそれを妨げています。
ドローンも国内で飛ばせる場所が規制の壁でほとんど無く、やむなく中国に会社を移すユニコーン企業もあります。自動運転技術も実験する許可が国内では下りず、中国などに大きく後れを取る原因になっています。また、PCで遠隔医療を行えれば過疎地や移動手段が少ない地方に取り大きなメリットになるのですが、初診は医者と対面診療でなければならないという既得権者保護のための規制の壁があります。
このようにDXを推進しようとすると、実に数多くの「規制」でほとんど実行できないことに気が付くでしょう。日本の経営層は低賃金で社員をこき使うことばかり考えず、真剣に社員や非正規雇用の方々の幸せを考え、積極的に政府に規制解除を求める事が不可欠です。既得権を持つ組織は速やかに改変・解散し、新時代の組織に生まれ変わらせなければ日本は生き残ることはできないでしょう。
癌は古い体質の老害経営層とサラリーマン化した官僚組織です。昨今、官邸主導で規制を撤廃する動きがあることは非常に重要な良いことです。官僚や既得権益組織の抵抗が想像されますが、是非ここは徹底して排除し、新しいデジタル社会を早急に構築できるよう頑張ってもらいたいものです。そして役員は30歳でも良いではありませんか。
明治維新は20歳代、30歳代の若者が中心いなって成し遂げた偉業です。400年続いた侍の時代崩壊を誰が想像したことでしょう。今こそ社会を新技術によって変革する時です。令和維新断行は今です。