時代が変わる!

大手の戦線縮小が止まりません。

大量出店による面の確保による顧客の囲い込みを推進してきた大手アパレルが大きく舵を切り、戦線縮小が始まりました。ワールドやTSIを筆頭にセレクト大手も出店戦略を大きく見直しに入っています。UAも話題だった高速道路PAの店舗を閉鎖したり、クロスカンパニーが「全社員制度」を廃止したり、各社体制の立て直しを必死で模索しています。一方消費ニーズの多様化に合わせるようにファッション企業が飲食に進出したり、雑貨部門を独立強化したり、各社各様の対策を行っています。

これは百貨店と同様、消費者ニーズの多様化・多層化に従来の「ファッション」だけではもはや対応しきれない事の表れだと思われます。元来、時代を敏感に読み、時代の消費ニーズ対応が上手く、消費者ニーズをリードしてきたセレクト系までが消費者ニーズ把握に課題を残すような事態になったことは、ゆゆしき問題であります。嘗ては百貨店の次はブランドが、ブランドの次は専門大店が、そして専門店がといったように時代を牽引する業種が表れていましたが、現在ではこれといった業態は出現してはいません。敢えて言うならユニクロのみが一人勝ちの感がありますが、ちょっと特殊な領域に思えます。果たして次に時代を牽引する業態は出るのでしょうか?今のところ単なるファッション業態ではなく、複合業態、例えば喫茶や書店、花屋やリビング雑貨等を一緒に展開しているライフスタイル提案型のみが気を吐いていると思います。例えば代官山の蔦屋などは、本屋を中心に雑貨・喫茶・DVDにCD、レストランに眼鏡屋にカメラ屋、ペットショップと完全に空間と時間を楽しむライフスタイル型になっており、常に人で溢れています。効率を追求したせせこましいMD展開では成し得ない贅沢な空間、今後のMD展開は「大きさ」が重要な要素になるような気がしています。集積された商品群が薀蓄を、storyを語るにはそれなりの「ボリューム」が無いと消費者のマインドには訴えられないような気がします。

これから消費者ニーズを各社どの様に捉え、どの様に対応していくのか興味津々です。

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