百貨店新業態への進化3
次にモノを買うだけの場所から時間と空間を消費する為の場所に進化するためには、他では得られない「ここでしか得られないサービス」がとても重要になります。
百貨店に於けるサービスは色々ありますが、中でも一番強力なものは「接客サービス」でした。しかし現在ではきちんとした接客サービスを受けることは殆ど不可能な状態です。何故なら百貨店の自社社員が大幅に削減され、売場は消化仕入先が派遣した先方の社員かアルバイトになってしまっており、まともな製品知識、商品知識、コーディネート知識、オケージョン知識など百貨店が教育自体を放棄してしまったため、各ブランドや取引先が勝手に教育を行い、自社商品以外は全く「われ関せず」と百貨店としての統一された接客サービスは望むべくも無いのが現状なのです。かえって各専門店の販売員の方が百貨店のそれより商品が好きという場合が多いので、接客レベルは全然上です。
しかし、百貨店再生の為には「接客サービス」の飛躍的向上は不可欠です。店内で接客する人間はある程度の期間接客教育を受け、一定のレベルに到達しなければ接客サービスができない位の厳しさが必要で、百貨店協会や専門店協会、チェーンストア―協会等の公的機関が協力して販売員のレベルを公的に設定するなどの対策が必要でしょう。百貨店では最上位レベルの販売員しか売場に立てないようにするなどして全体的な販売員レベルの底上げが求められます。販売員に関しては拙著(※お客様、閉店です:繊研新聞社編)で述べましたが、基本給+売上歩合制度や役員登用制度などを導入してその地位を向上させる必要があります。そうでないと販売員自身のやる気や自尊心が助長されないからです。
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