Coup d’etat CLUB | クーデタークラブ
百貨店復権への道 第8回
過日、流石創造集団の黒崎社長と元伊勢丹社長の大西さんと3人で、コロナ禍後について話し合う機会がありました。その会話の中で黒崎さんから、『最近のコロナ後の話は全てどうやって以前の状態に戻すかという視点ばかりで、この禍をきっかけにどう新しい社会の仕組みや会社の在り方、働き方、取引先との在り方など進化させる議論の方向性になっていない』という話がありました。特に『百貨店は生産者と消費者の間に在り、中間搾取しているだけだから機能が便利なネットに顧客を奪われるのは当然』とも仰有っていました。正にそのとおりで、今回販売先が休業で売り先に困っている取引先に対し、何ら救済の手を差し伸べてはいません。取引先A社が潰れたらB社にすれば良いとばかり、何ら対策は取っていないのが現状です。ネットしか販売チャンネルが無くなると、我先にネットに雪崩れ込み、同じメーカーの商品があちらこちらで販売されています。当然取引先も自社でネット販売しているので、百貨店に利益を払ってまで競合するネット販売に売れ筋在庫を廻す筈もなく、百貨店が販売するネット商品は年々その売上を下げるのは誰が見ても明らかです。また、大西さんはこの話を受け、『コロナ禍前はモノが売れず、此からはコトよりだと言われ続けましたが、やはり売り方や役割の変革と同時にモノをもう一度見直す必要が有るのでは?』と言う提案がありました。こちらもごもっともで百貨店が扱うモノ自体を、そのグレードや品質、独占レベルなどあらゆる角度から再検討されるべきで、売れない商品をどんなに提案しても売れないのはモノ自体に問題があるからです。次回からはモノの観点から百貨店再生への道をさぐります。